●声が体を貫く体験
時々新潟で歌の会(歌声の会)を開催します。
今はコロナウイルスの影響で「集まって歌う」雰囲気でもないので、
しばらくはみなさんそれぞれに歌っていることでしょう。
そこで今日は、「なぜ共鳴発声法で出す声は気持ちいいか」
という話をします。
声は波です。波動です。
![](https://hypnos.jp/wp-content/uploads/2020/11/line_wave3.png)
光も波長を持つエネルギーですが、波としては捉えにくい。
赤や緑の色を見ても、「波」を感じるのは難しいでしょう。
音は、「波」の感覚が感じられやすい波動の代表です。
だから、人との関係においてきわめて重要なのです。
私たちが声を発したとき、空気の振動として相手に届き、
相手の体を震わせます。
![](https://hypnos.jp/wp-content/uploads/2020/11/energy_ha.png)
これは想像の世界ではなく、一部のマニアのものでもなく、
あなたの身体に確実に生じる科学的な「音の作用」です。
音が体を震わせる感覚は、わかりますか?
もっと行くと、震わせるどころか「体を貫く」感覚にもなります。
そんな声を聞くだけでなく、出せるようになれたらいいですね。
●快感の秘密は倍音の高周波
ここで取り上げているのは、太鼓やコントラバスなどの低い音が
ビーンあるいはビリビリとした響きとして伝わってくるのとは
ちょっと違います。
![](https://hypnos.jp/wp-content/uploads/2020/11/kaminari_girl.png)
低い音のビーンという感覚は、わかりやすくはありますが、
言ってみれば、机を「バン!」と叩かれて衝撃を受けたり、
落雷の衝撃がドーンと伝わってくるようなものです。
周波数が低いと、上下の下方向の感覚を私たちに感じさせるので、
音楽では全体を支える土台として低音部が重要な役割を果たします。
下部がしっかりすると、安定感や充実感が生まれるんですよね。
しかし、音としての低音を超えて、耳には聞こえない振動のレベルになると
体に良いものではなくなってきます。
低周波が体に与える悪影響については、研究も進んでいるようです。
あなたに体験してほしいのは、緻密な倍音による波動。
つまり、非常に高い周波数の体験です。
聞こえている音の高さとは違います。
聞こえている高さよりもっとずっと高いところに含まれている、
2倍、3倍、4倍といった周波数成分です。
ドの高さの声が聞こえたとしても、
「ああ、やっぱりドはいいよね、ドは」とは感じないでしょう。
このドは倍音ではなく基音(一番下の周波数成分)です。
そのドの上に積み重なって含まれている倍音こそ、
音の「感じ」を決める要素であり、あなたの身体と意識に影響を与える
音の正体でもあります。
音や音楽を聞いて、知らないうちに涙が出ている体験をしたなら、
低い基音ではなく、倍音の高周波に体と心を刺激されたのです。
「魂を揺さぶられる」という表現がありますね。
神秘的な言い方ですが、この現象もやはり倍音の高周波に
体の奥を、意識の奥を刺激されたときの感覚を表現しています。
宗教音楽を聴いて声のハーモニーに「神々しい」「神聖な」
気持ちになるのも、同じです。
●発声トレーニングは快楽体験になる
もっとも、こんな声の条件が整うのは簡単ではありません。
ハーモニー(ハモり)だってそうですよね。
ハーモニーを売りにしたミュージシャンは少なくありませんが、
快楽体験と呼べるほど気持ちいい感覚にはなかなかならないでしょう?
たいていは「あ、ちょっと楽しい」くらい。
ハモりでは、声量、音高、音質という「音の三要素」がピタリと揃うと
「快感の絶頂を味わうほど気持ちいい」とも言われる至高の体験になります。
この三要素の中で最も難しいのが、音質。
すなわち「声の色」であり、正体は周波数成分です。
声量や音の高さなら、ちょっと練習すれば器用な人なら上手になる。
カラオケの点数が高い人を思い浮かべればわかりやすい。
![](https://hypnos.jp/wp-content/uploads/2020/11/music_voice_training_woman.png)
しかし、声の色に関わる「周波数成分」のコントロールには、
「共鳴」の技術(共鳴発声法)が必要です。
あなたはぜひ、共鳴の技術を身につけてください。
ぜひ声の快楽体験をしてください。
「ハーモニーに包まれる」
「体の芯を響きが貫いていく」
「体だけでなく、脳を刺激されているのがわかる」
「快感ホルモンが垂れ流しになる」
いろいろな言い方がありますが、すべてに共通するのは、
すでにあなたにも馴染みのある「トランス」です。
緻密な共鳴発声法による倍音豊かな声は、トランスを誘発します。
体験している方は、言われなくてもよくわかっているでしょう。
つまり、トランストレーニングをしているあなたは、
「ハーモニーに包まれる」
「体の芯をハーモニーが貫いていく」
「体だけでなく、脳を刺激されているのがわかる」
「快感ホルモンが垂れ流しになる」
すでにこのような体験をしやすい状態にある、ということです。
トランストレーニングの副産物ですね。
“ご褒美”といったほうがいいかもしれません。
発声トレーニングに、快感というご褒美がついてくるなんて、お得ですね。
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