●声と言葉で仲良くなれる
今回の『内向型人間が声と話し方でソンしない本』は、
発声をメインに取り上げた、しかも共鳴発声法の基礎から解説している、
初めての本です。
「今回の」といっても、もう半年以上経ったんですね。
時の経つのは早い。その「時」を味方につける取り組みをしていますか?
「言葉と声」のトレーニングは、気持ちいい人間関係を築くうえで
効果的かつ本質的な積み重ねとなります。
時を味方につける「積み重ね」ですね。
「言葉と声を変えることで意識が変わると、人間関係がうまくいく」のは
なぜでしょうか。
それは、
「言葉は意識の器であり、声はその言葉を乗せる乗り物」
だからです。
つまり、声と言葉はあなたという人間をすべて伝えてしまう。
誰かと仲良くなろうとするとき、どうしますか?
うまくいっていない人との関係を改善したいとき、どうしますか?
「声と言葉を見直す」のが、正統な王道です。
●こんな方法はNG
逆に、そんなときに世間一般に「こんなやり方が採られている」という、
あなたにはお奨めできない方法がいくつかあります。
たとえば、「共通の敵を作る」。
この方法は、結論から言えば、誰かと仲良くなりたいなら
頑として採用しないようオススメします。
具体的にいうと、「誰かの愚痴悪口で盛り上がる」、
「態度の裏表を使い分ける」といったやり方です。
・(同僚に)〇〇課長って、使えないっすよね
・(クレームの電話を切った後、その場にいる同僚に)ほんとサイテー
確かにこの手のやり方は、一時的には効果があるように感じられるでしょう。
だから効果的な方法として疑いもせず、他人を悪口に誘う人もいる。
しかし、「共通の敵作戦」で作れる関係など、歴史が証明しているとおり、
一時的なウソの関係です。
共通の敵がいなくなれば、あっという間に関係に亀裂が入る。
関係がギクシャクしたら、かつて悪口に同調していた事実を利用され、
窮地に追い込まれるかもしれません。
「ここだけの話さあ」と巧みに誰かの悪口にあなたを引き込むような人は、
別の場になればあなたの悪口に誰かを引き込んでいる。
そういうものです。
目の前の相手とうまくやりたいからという利己的な理由で、
その場にいない第三者をこき下ろすことを躊躇しないような人は、
何かあれば躊躇せずにあなたをこき下ろします。
個人だろうと国同士の関係だろうと、同じこと。
常に成り立つ原理原則ですね。
だから「共通の敵を作る」などという姑息な手段は、
結局うまくいかなくなるのです。
●声と言葉はうまくいく本質的方法
時間を味方につける、時間が経てば経つほどじわじわうまくいくような、
人間関係にとって本質的な方法が、「声と言葉」です。
「言葉では何とでも言える」という言い方がありますが、
言葉以外にあなたの意思や思考を詳しく伝える道具はありません。
それに、「声」までセットになったら、もはやウソはつけません。
「本物になった」と言っていい。
だから、必ずうまくいく。
使う言葉や声を変えようとすると、
一時的には馴染めず違和感があるかもしれませんが、
長い目で見ると必ずうまくいく。
「ことば学講座」で声と言葉を扱うだけでなく、
その源泉としての「意識」を同時に扱うのは、そういう理由です。
声も言葉も、あなたの内面と切り離すことができないのです。
さあ、あなたの声と言葉、じっくり育てていきましょう。
次回の「ことば学講座」、こちらからどうぞ
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