圧倒的な声を手に入れる方法(全力でおこなう、とは?)

●「まだアコーディオンやってたの?」

「あ、その日はアコーディオンのレッスンなので……」と言ったら、
「まだアコーディオンやってるんですか。よく続いてますね~」
と驚かれました。

確かに、かれこれ16~17年くらいになるでしょうか。

何かの楽器を始めて本気で取り組んだら、
演奏家として活動を始めてもいいくらいの年月です。

実際私のアコーディオンの先生は、初めてアコーディオンを手にしてから
(中断はあったものの)このくらいの年数ですでに演奏活動をしていました。

私の場合、いわゆるアコーディオニストを目指しているわけではなく、
歌うときの補助的な伴奏に便利だからという理由で習い始めたものなので、
ゆっくりじっくりですが。

それでも、自分の生活に完全に食い込んで、自分の一部になっています。

「まだ続いている」「がんばって辞めずにいる」というものではありません。

「生きている」と同義みたいなものですから。

「アコーディオン、まだやっているんですか」という台詞は、
私にとって「まだ生きていたんですか」と同じ、ということですね。


●全力で声を出すと積み重なる

時々こんな質問を受けます。

「継続や一点集中が大事なのはわかるのですが、
私の場合は“何を”したら効果的でしょうか」

何をとことんやればいいのか、何に一点集中すればいいのかがわかれば、
そこに集中する意欲はあるという。

しかし、その“何”がわからないから、アクセルを踏み切れない。
答えがわかれば、全力で行く気持ちはあるという。

まあ、気持ちはわかります。
限られた資源をどこに投じるか、という効率的な思考ですね。

どうせやるなら、効率的にやりたい。無駄なことはしたくない。
それはそうですよね。

でも、本当ですか?
答えがわかれば、全力で行きますか?

たとえば職場で「与えられた仕事」は、答えのひとつですよ。

何かしらの答えを出されても、なんだかんだと理由をつけ、
言い訳をしながら、全力を出し渋るのではありませんか?

わずか数ヶ月程度は走ってみるものの、
あっという間に息切れして、「向いてない」とか「これじゃない」とか
言い訳しながら元の場所に逆戻りするのではありませんか?


●3年間ずっと全力で話す

頭で考えて吟味していると、結局何も始まらない。
何も積み重ならない。

目の前の「やるべきこと」をとにかく徹底的にやったらいい。

たとえば、「全力で声を出す」。

「大声を張り上げる」のではありませんよ。

「発声」という行為に全力で取り組むのです。
コミュニケーションや挨拶は、あなたの「やるべきこと」と言えるでしょう。

発声はコミュニケーションの基本。
だから誰にとってもメリットが大きい。

そんなおいしい「発声」ですら、「笑顔で、明るく、挨拶しよう」
なんて心がけてみても数ヶ月も続かないとしたら、
まるで先ほどの「結局何も始まらない」「何も積み重ならない」ですよね。

やってみましょう。

初めのうちは「少し無理しながら」でいいから、
しっかりした声で、明瞭に挨拶する。

そのうちに「それが自分にとっての普通」になってきます。
そのうちとは、3年ぐらい。

3年かけると、差がつきます。3年かけないと、差がつかない。

わずか数日でバーンとしっかりした声が出たとしても、
何かのコツをつかんだとしても、
また気分や体調で元に戻ってしまいます。

3年かけて身につけたら、体の奥までしみこんでいるから、戻らない。

声だけではありません。

言葉を重視して「全力で話す」。

「話す」という行為に全力で取り組む。

あなたにとって、必ずプラスになるはずです。

「全力で話す」とはどういうことか。

・愚痴悪口を一切言わない人になりきる
・良いところ探しをして口に出す
・相手の言葉をプラスに解釈する
・皮肉や弱音はプラスの表現に変える
・本人に言えないことは一切関知しない
・言葉に対する意識を日に日に高め続ける
・言葉のもとになる意識内容をいつもチェックする

といったことを徹底しながら生活するのです。

逆にいうと、

×…愚痴をこぼしたくなる日だってある
×…嫌いな人の良いところなんか探したくない
×…明らかに悪意のある人の言葉をプラスになんか解釈できない
×…正面から言い返せない相手だから皮肉で返すしかない
×…誰かの悪口を言い合うほうが仲良くなれる

みたいな、ありがちな感覚や考え方が自分の中に入ってくる隙を作らない、
ということでもあります。

「人の弱さは悪だとは思わない」
   ↓
「つい悪口を言いたくなるのは人の弱さ」
   ↓
「だから悪口は悪ではない」

みたいな、ありがちな三段論法で自分を騙し、基準を甘くしたりしない、
ということでもあります。

「だって人間だもの」のような感覚が侵入してきて
基準を甘くしたくなったら、「だからこそ」あるいは「だとしても」
と言い換えてみてください。

「つい悪口を言いたくなるのは仕方ない。だって人間だもの」
   ↓
「だからこそ、私は言わない」

「みんな言ってるんだから、いいじゃんか。むしろ普通だよ」
   ↓
「だとしても、私は言わない」

という姿勢を揺るがせずに3年続けたら、芯から変わります。

すると、周囲の評価が変わります。

これが一点集中と継続による「積み重ね」のパワーです。

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   ↓
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