●ツボ言葉を探せ
先日あるカフェで執筆中、隣のテーブルに座った女性二人連れが
おしゃべりを始めました。
一人が他方に、何やら仕事を勧めているようでした。
「どれほど儲かるか」を例を挙げながら説明しているのですが、
相手の反応は薄い。
最初のうちは「うん、うん」と熱心に聞いていたのに、
「すごいんだよ。○○さんなんて毎月──」と儲け話の様相を呈してくると、
語り口が熱くなるにつれて、聞き手のほうはむしろ白けてきたかのような、
気のない返事になっていきました。
やがて理由が判明します。
「べつに私、お金持ちになりたいわけじゃなくて、
仕事って毎日のことだから、やりがいとか人間関係のほうが大事かな。
お金は生活できればそれでいい」
のだそうです。
「職場の居心地は特に大事」と繰り返していました。
以前に人間関係のトラブルを経験したことがあるのかもしれませんね。
そう言われても話し手の女性はひるむことなく、
「でもさ、月いくらだよ。すごくない?」
「上位者は表彰されて、モチベーションが上がるんだよね」
「私はまだまだだけど」
「がんばった分だけ稼げるから、やりがいがある」
と儲け話で惹きつける試みを続けていました。
もったいないですね。
せっかく相手が「やりがいとか人間関係」と
効き目のある「ツボ言葉」を具体的に挙げてくれているのに、
路線を崩すことなく「お金」で攻め続けるのだから。
ツボ押しというのは、無理やり入れても、ちっともよくありません。
気持ちよくて、「あ~、そこそこ」と相手が自ら求めてくるような、
そんなツボ、そんな押し方が最高です。
●あの人に効くツボは?
ある人のネクタイを褒めたらえらく喜んでいたから、
別の人にもネクタイを褒めたら、そっけない反応だった。
ある人が彼に「カッコイイ」と言ったら彼が喜んでいたから、
私も「カッコイイ」と言ったら、「何が目当て?」と返された。
人によってツボ言葉が異なり、効く押し方も違うからです。
しかも多くの場合、先ほどの「やりがいとか人間関係」のように
具体的にツボ言葉を教えてはくれません。
「ネクタイを褒めてくれ」「カッコイイと言ってくれ」と
直接口に出すとしたら、冗談が半分以上ですよね。
「多くの人に効くツボ」はあるにせよ、
フリーサイズの服と同じで「誰にでも合うものは誰にも合わない」から、
そういうツボを無性に嫌がる人もいます。
だから、ツボ探しが必要なのです。
あの人に効くツボはどこなのか。
どんなタイミングで押すと効くのか。
逆に、どんな押し方をすると、嫌がるのか。
今週のことば学講座で、ツボ探しの技術を高めましょう。
言葉によるツボ押しを学ぶ「ことば学講座」はこちらのページから。
↓
http://wsi-net.org/kotoba.html (ことば学講座)
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