プラトー期が分かれ道になる理由

●変われる人、変われない人の違い

何かを身につけたくて何かのトレーニングを始めても、
身につく人と、身につかないまま終わる人がいます。

・英会話教室に通い始めた
・スポーツジムに通い始めた
・Officeの資格を取る勉強を始めた
・着付けを習い始めた

もちろん、すでに何年も前かもしれませんが、

・MKCのレッスンを受け始めた

これは筆頭に挙がりますね。

このように、何かのトレーニングを始めるというのは、
すべて「自分を変える」ためです。

言い換えれば、「今の自分のままでいい」と思っている人は、
何かを始めません。

まあ、実は例外はあって、社会生活がまともに送れないほど弱ってしまうと、
「あなたのままでいい」「変わらなくていい」
と言ってくれる相手を求めてさまようのですが、
元気になれば「やっぱり変わりたい」「こんな自分を変えたい」
とまた成長を求めるようになります。

「成長」は生物の本能なんですね。

ところで、トレーニングによって「成長」したいとき、
最も重要な局面はどこにあるか、知っていますか?

変われる人、変われない人の違いがいつ現れるか、です。


●成長にとって最も大事な局面

最も重要な局面は、「変化が感じられない時期」です。

つまり「プラトー期」ですね。

プラトー期に、成長できるタイプは生き残り、
成長できないタイプは脱落します。

だからあなたは、変化が実感できないプラトー期には
何があっても脱落しないようにしがみついてください。

何かを始めた初期は、変化が大きい。
それはそうです。昨日までやっていなかったことをするのですから。

英会話を習い始めて、「語彙を増やしましょう」と単語リストを
宿題に渡されたら、毎日数十語が自分の中に入ってくる実感があるでしょう。

「昨日より今日の自分のほうが単語を知っている」「学ぶって楽しい」
と実感できる。

ところが、そのまま続けて1年経つと、
「昨日より今日の自分のほうが、単語を知っている」
という実感はなくなる。

1年前の自分より、「実力」はずっと上です。

なのに、「変化の実感」は1年前のほうが上だった。

語彙を増やすトレーニングを今でも毎日続けているなら、
実力はちゃんと毎日伸びているのですよ。

ただ実感できないだけで、
水面下でちゃんと成長を続けています。

このように、数字や実感として表に現れる時期と、
水面下で進行する時期が、何事にも必ずあります。

水面下で進行する時期をプラトー期(停滞期)といいます。

高度な課題ほど、水面下の時期が長い。

「英検4級を受けるぞ」と勉強を始めたなら、
ほとんど直線的に「完成」に到達できるでしょう。

しかし、「ピアノが弾けるようになりたい」と習い始めても、
プラトー期を何度も何度も味わうことになる。

あなたが取り組んでいるのは、たやすい課題ではないでしょうから、
毎日のように達成感など味わえない。

プロのピアニストが日々の練習で「やったあ、昨日より上手になった!」
なんて感じられないように。

だから、プラトー期にこそ、怖い分かれ道があるのです。


●プラトー期を楽しもう

達成感が味わえる初期や、簡単な課題なら、誰でもやり遂げられます。

サルでもできる。

本当ですよ。心理学実験で、サルに適度なご褒美(達成感)を与えれば、
喜んで課題に取り組み続けます。

ご褒美(達成感)が来ないとわかると、途端にやる気を失う。

人間の場合は、学習メカニズムを知っているからか、
サルとは違う反応になります。

プラトー期にやる気を失って脱落してしまう人もいる一方、
プラトー期を何度でも乗り越えて成長できる人もいる。

それがサルからの進化なのかもしれませんね。

これから取り組んでいただく「会話」という課題も、そう。
人間関係にとって、「会話を制する者はすべてを制する」と言えます。

今このタイミングであなたにトレーニングしてほしいので、
「会話」というテーマを取り上げるわけです。

「会話」は高度な課題です。
練習なしに、相手を気持ちよくさせる会話はできません。
練習なしに、会話にストレスを感じなくなるはずがありません。

高度な課題だから、何度もプラトー期を迎えるはず。

プラトー期を楽しみながら、会話という課題に取り組みましょう。

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