●「話し方」とホメオスタシス
成功している社長の83%だか87%だかが、成功の秘訣を問われて
「話し方を学んだこと」と答えた話は有名ですね。
私の講座でも、何度か取り上げたことがあるので、
覚えているかもしれません。
「話し方」は、そんなに大事なのか。
人生の幸福度をそんなに左右するのか。
前回の「ことば学講座」を思い出してください。
マズローの欲求5段階説に従って、人に伝わる、
人が動いてくれる話し方を勉強しましたね。
あんな方法を知っているか知らないかで、
相手の反応は大違いです。
もちろん「知っている」には、「練習して、身についている」
まで含まれますよ。
ただ理屈を知っているだけではうまくいきません。
ことば学講座をメールレッスンではなく会場でおこなっている理由は
ここにあります。
「身につけて」ほしいからです。
話し方は日常の習慣と深く絡みついているので、
マイナスの癖があっても脱却しにくい。
頭で分かっていても、うまく変化できないのです。
「話し方のホメオスタシスは引き離しにくい」とも言えますね。
変えようとしても、いつしか元に戻ってしまう。
だからこうして、あなたの中にレッスンを注ぎ込んで、
中から良い反応が自然に出てくるようなレッスンにしているのです。
●「愛される花」と「相手にされない猫」
「話し方」は、あなたの人生を変えます。
「そんな大げさな」という反応を見せる人もいますが、
話し方が変わると、確実に人生が変わります。
それはそうですよ。
良い話し方をする人は、喩えるなら「かぐわしい花」です。
あなたが良い話し方をする人になったら、
人から話しかけられたときに、素敵な香りを放ちます。
私の好きなユリのような、あるいはあなたの好きなバラのような。
だったらまた話しかけたくなりますね。
ごく自然な反応です。
逆に、良くない癖のある話し方をする人は、「すぐ噛む猫」。
撫でようとして手を出すと、すぐ噛む。
たまに気まぐれに撫でさせたかと思うと、またふと噛む。
だったら、そのうち撫でたくなくなります。
近づくと噛まれる、手を出すと噛まれる、油断すると噛まれるのだから。
話しかけられたときに、どんな「反応」を生じるか──それが「話し方」です。
人生を変えるわけですよ。
「愛される花」と「相手にされない猫」の違いなのだから。
ずっと嗅いでいたい素敵な芳香を放つのか。
気に食わないとガブリと噛むのか。
気に食わないわけでもないのに、癖でつい噛む猫もいる。
「相手にされない猫」ではなく、「愛される花」になりましょう。
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