誰に向かって話すか(ブログ等で情報発信をしている方へ)

●仕事のブログを書いている場合

受付開始のご連絡だけというのもナンなので、
ついでにちょっとしたミニレッスンをしましょう。

ブログやSNSなどで情報発信をしている方から、
「アクセス数が増えない」
「アクセス数が増えてきたけれど、仕事の申込みが来ない」
といった悩みが届くことがあります。

悩んでもしょうがない悩み方をしていたらお気の毒なので、
「言葉の使い方」に絡むミニレッスンをお届けしますね。

まず、ブログ等のアクセス解析が出す「アクセス数」は、
非常に不正確で当てになりません。

何年も書き続けている方なら、感覚的に「おかしい」と
わかる経験が何度もあるでしょう。

「毎日300人が来てくれているはずなのに──」と
具体的な数字を挙げて現状を聞かせてくれる方もいますが、
300人が丸ごと来ているわけではありません。

ブログ会社によってバラつきがあって、
ほぼ正確な数字に近いかな、という会社もあれば、
「10分の1ぐらいに差し引いて考えたほうがいいな」
と思えるような会社もあります。

なぜアクセス解析の数字が不正確なのか、
理由はいくつかありますが、「人間ではなくプログラムが
勝手に訪問している回数をカウントしてしまう」という理由は
知っていましたか?

ネットの情報を集めるプログラムがネット上を走っていて、
だからあなたのブログの情報も集めに来ていて、
しかしそこに人間はいないから単に通り過ぎていくだけで、
なのに訪問者数としてカウントされてしまう、といったことです。

そんなアクセス解析では正確な計測ができないので、
各社はがんばってプログラムのカウントを除去しようとしますが、
すべてがうまくいくわけではなく、そのせいで不正確な数字になります。

ほかにも、私にはうまく説明できないような技術的な要因によって、
「興味を持った人がサイトを訪れる」という有効な人数以外の
無意味なカウントが含まれてしまうケースが多々あるそうです。

だから、「アクセス数」はあまり気にしないほうがいい。
私もまったく気にしていません。


●気にかけるべき大切な相手は

いみじくも「アクセス数が増えてきたけれど、仕事の申込みが来ない」
と書いてくれたように、肝心なのは「反応」ですよね。

つまり「意味のあるアクセス」です。

何かの教室に人を呼ぶためにブログを書き始めたとして、
訪問者が一日千人を超えたとして、
教室に一人も来なかったら、目的を達していないブログです。

お友達や知り合いがわいわい集まって盛り上がっているとしても、
毎日何かのコメントを残してくれるとしても、
「現地に足を運んでくれる」「しかもお金を出してまで」という人は
本当に特別な存在です。

毎日あなたのブログを訪れているのが30人でも100人でも、
メッセージを受け取ってくれて、反応してくれているのが1人だとしたら、
あなたが大切にすべきは、気にかけるべきは、その1人です。

そもそもアクセス数は不正確で当てにならず、
仮に正確だったとしても、訪問者みんながまともに
メッセージを受け取っているわけではない。

ちゃんと読んでいるのかもわからない、
何かを感じてくれているのかもわからない、
まして仕事の申込みをしてくれるわけでもないアクセスを
どうして気にして悩む必要などありましょうか。

「アクセス数を増やそう」などと気にすることなく、
本当に大切なメッセージを、大切な相手に向けて書いてあげてください。

そうすれば、あなたのブログは素敵なメディアになるはずです。

一日の訪問者数が20人に満たないのに、
定期的に問合せがあって仕事につながっているブログもあれば、

毎日300人以上が訪問しているのに、
知り合いやネット上のお付き合いで賑わっているだけで、
実際の仕事にはまったくつながらないブログもあります。

「仲良し同士の遊び場」が作りたいなら、それでもいいでしょう。
しかし、仕事で情報発信をしているとしたら、「意味のないブログ」です。

着実に結果を出しているブログは、「ちゃんと考えて書いている」。
結果が出ていないブログは、アクセス数や賑わいばかり気にして書いている。

あなたが気にかける相手は、仕事で話しかけるべき相手は、誰ですか?

たとえば私にとって、気にかけている相手とは、
こうしてメールをしっかり読んでくれたり、
ことば学講座に足を運んでくれたり、ブログにコメントしてくれて
レッスンを真剣に受けてくれる、そう、あなたのことです。

真剣に読んでくれるあなたに向けて書くことが大事なのであって、
アクセス数などどうでもいい。

中には「ブログに変なコメントを書かれてしまって、
気になって記事が書きづらくなってしまった」という方もいましたが、
仕事のブログなのであれば、あなたに仕事を頼まない人が何を書き込もうが、
何を考えようが、どうでもいいことでしょう?

放っておけばいいのですよ。
仕事のブログを書いているということは、プロとしての作業なのだから、
本質を捉えて地に足のついた仕事をしましょうね。

「誰に向けて書いているか」を意識していますか?
文章を書く際の大原則ですよ。

たとえば私なら、「真剣な受講者」が相手です。
それ以外の人たちは、相手にしていません。

実は先ほどから、ことば学講座の申込みがぽつぽつと届いています。
おかしいと思いませんか?
このメールが、ことば学講座のお知らせなのに、
つまり、申し込める状態になったことを誰も知らないはずなのに、
さっきからお申込みが来ている。

つまり、こちらからまだ連絡していないのに、
「そろそろ申し込める時期だろう」と思って、
自らいつもの申込みページを覗いてチェックしてくれているのです。

しかも、「今回のテーマ」もまだ告知していないのに。
つまりは、テーマにかかわらず、
参加することを最初から決めている方々です。

そういう「真剣な受講者」に向けて、私は文章を書いています。

「今回のテーマは何ですか? 私に必要なテーマなら参加したい」
という人に向けては書いていない。

言葉だろうが意識だろうが声だろうがトランスだろうが、
すべてが根底でつながっているのだから、
ことさらに「今回のテーマは」なんて決める必要もないのです。

そんな真剣な受講者だけに向けて文章を書き、
話をしているから、私も本気になれるのです。

アクセス数なんかに気を取られて取り組みがブレたら、
いつまでも結果は出ません。

「誰に向かって書くのか」をいつも意識して、
相手本位で丁寧に書きましょう。

* * *

【レッスンメニューのご案内】

  1. 共鳴発声法で楽に無理なく話せるようになりたい
  2. 人間関係を日に日に好転させて豊かな人生を生きたい
  3. 言葉、意識、身体の使い方をマスターするレッスン


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